心なしか、角に置かれた観葉植物にも元気がないように見える。
停滞している。
そう思った。
風も、空気も、時間さえも。
「いいか、柳瀬。慎重にお相手するんだぞ」
「はいはい、わかってるって」
「ちゃんと聞けってば。お前は力が強いんだから、いつもの遠慮のない力でお年寄りに触れたら、骨折する人続出だぞ。高齢者の骨折はリハビリも難しいし、命に係わるんだよ。だから丁寧に、そっと真綿で包むような気持ちで……」
「わーかってるっての! じいさん、ばあさんたちにはムダに触らないし、気を付けるから」
心配し過ぎだと笑う柳瀬くん。
けれど有馬は不安げというか、信用ならないといった様子で柳瀬くんに懇々と言い聞かせている。
そんなふたりを横目に見ていると、久保さんが寄ってきてこそっと耳打ちしてきた。
「あれ、こういう施設に来るたび毎回やってるんですよ。あと小さい子相手のボランティアの時もですね」
「へえ。そうなんだ」


