明日死ぬ僕と100年後の君


からりと笑って、柳瀬くんがわたしの肩に手を置いた。

力の強い彼は軽く叩いただけのつもりだろう。

けれどわたしには、一瞬肩が外れるんじゃないかと思うほどの衝撃だった。



「俺、いつもいるわけじゃないからさ。大崎さん頼むよ」

「えっ。な、なにを」

「あいつのこと。危なっかしくてさ。いつか糸が切れた凧みたいに、どっか飛んでっちまう気がして目が離せなかった。だから大崎さん、あいつのこと見ててやってくんないかな」


高い位置にある柳瀬くんの顔を見上げ、唖然とする。

どうしてここでわたしに頼んでくるのか、さっぱり理解できなかった。



「な……なんで、わたし?」

「うーん。なんとなく? 有馬も大崎さんには心を開いてる気がするし」


どこが? と出かけた言葉を飲みこむ。

一体どこを見て柳瀬くんはそう感じたというんだろう。


わたしよりよっぽど、久保さんの方が有馬の心を開いているじゃないか。

そうだ。彼女のほうがずっと、わたしより有馬の近くに立っている。