ボランティアは義務と言っていた有馬。
その時は意味がわからず、自分に酔っているんだと彼を責めた。
けれどいまはなんとなく、理解している。
有馬はたぶん、命をもらう代わりにボランティアをしている。
何もせずただ他人の命を奪うのは心苦しい。
だからせめて人助けをする。
そうして善行を注ぎ、罪悪感を薄めているんだろう。
つまり有馬の善行は、1日分の命の代償ということになる。
確かにとても褒められた行いじゃない。
ボランティアをしているとはいえ、黙って他人の命を奪って自分のものにしているのだから。
生きることに価値を見出せず、だらだらと生きているわたし以上に身勝手だと言えなくもない。
実際有馬自身もそう言っていた。
彼の言ったことががすべて、本当だったらの話だけれど。
「まあ、あるんだろうな。有馬の両親、医者だったんだけどさ。有馬が生まれるまでは、ふたりとも海外の紛争地域で医療ボランティアをしてたらしいし」


