琥珀色をした涼やかな目は、行き交う車を睨むように見据える。
孤独な横顔だった。
あれだけ人に尊敬され、誰もが有馬を褒めたたえているのに、有馬自身は誰にも心を開いていないのかもしれない。
彼を称える声さえも、拒絶しているような気がした。
どうしてわたしは、こんなにも有馬のことが気になるんだろう。
嫌いなら、合わないと思うなら、極力関わらずにやり過ごす手はいくらでもあるのに。
実際いままではそうやって、人間関係の摩擦を限りなく減らして生きてきた。
面倒だから。いちいち他人に振り回されるのは。
仲良くなったところで、行き着く場所はみんな同じなのだから。
それなのに、有馬だけは見過ごすことがどうしてもできない。
有馬が言っていたのと同じだ。
わたしたちはお互いに、見て見ぬふりができない何かを持ち合わせている。
「さっき……見てたね」
視線は戻さないまま、有馬が静かにそう聞いてきた。


