明日死ぬ僕と100年後の君


聖人なんかじゃなく、有馬も同じ人間なんだって。

そんな当たり前のことに気付くだけだ。


おかしな夢から目が覚めるみたいに。



わたしががっかりしたのはたぶん……期待していたからだ。


有馬夕星が、誰かの為にと本気で願う人ではないかと。

自分が目指すことが許されるような、希望になるんじゃないかと。


期待していた分、商店街でも違うとわかって憎くなったんだって、いまようやく気が付いた。



「……大崎さんは、変わってるね。みんな大崎さんみたいに割り切れていたら、僕も似合わないあだ名で呼ばれることもなかったんだろうなあ」

「そんなの……いまからでも遅くないんじゃないの?」

「そうかもしれないけど、別に変えようとは思わないよ。誤解されて実害があるわけじゃないし。むしろ好都合なことの方が多いからね」

「好都合……?」


それはいったい、どんな時の、何のことを言っているのか。

戸惑うわたしに、有馬は泣きそうな顔で笑って首を振る。



「それに言えるわけないんだ。偽善ならまだマシだ。僕がやっていることはもっと……」