明日死ぬ僕と100年後の君


有馬は無意味に生きるわたしが嫌いで、わたしは無意味な生と知らず、足掻いている有馬が気に入らなかった。

そういうことだったのか、と。


ひとりで納得しかけていたわたしを有馬が振り返る。


彼は笑っていなかった。

あの表情のごっそりと抜けた顔で、わたしを見つめてきた。



「ちがうよ」

「……え?」

「全然ちがう。大ハズレ。ひどいな。あまりにもちがうから、笑えもしない」


笑えない、と言いながら、有馬は口の端を引き上げる。

皮肉気なその笑い方は、はじめて目にするものだった。


聖人という印象からは程遠い、冷たさと少しの悪意で出来ていた。



「家族に悪いとか、生き残ったからには真面目に生きないと、なんて考えたことは一度もない。ないって言うか……そんなこと考える余裕もなかった」

「余裕が、ない? 有馬が? でもいつだって有馬は……」



他者を気遣う余裕があったんじゃないのか。