明日死ぬ僕と100年後の君


それはまるで、恋でもしているかのように。


いやいや、それはありえない、と首を振る。

相手はあの有馬だ。

初対面でいきなり、わたしのことが嫌いだと言い放った最悪な男だ。


そんなことで気になっているんじゃない。



ずっと彼は、家族に大切にされているから、他者を思いやることが出来るんだと、そういう幸福由来の余裕があるんだと思っていた。

でも実際は、有馬を大切にしていただろう家族はとっくに亡くなっていて、彼のお弁当を作っているのは家事手伝いの赤の他人。


わたしが想像もできないような深い悲しみや、痛みを味わったはずなのに、どうして有馬は他者に手を差し伸べることができるんだろう。

わたしと違うから、まったく違うから、気になるんだ。


ボランティア部の聖人と呼ばれるほど、慈愛に満ち溢れた人。


けれどわたしにだけは、時々ギクリとするほどの厳しさを見せるけれど……。



そこまで考えて、思考の水底から浮上するように、ある答えが見えた。