「ねーちゃん、オトナのくせに面倒くさがってちゃダメなんだぞ」
「だからあ、高校生はオトナじゃないんですー」
ぐいぐい隼人くんに引っ張られ、仕方なくテーブルの下から抜け出した。
そんなつもりはなかったのに、意図せず説得するような形になってしまって困る。
隼人くんとわたしが一緒に戻ったら、久保さんが居心地悪くなったりしないだろうか。
躊躇いはあったけれど、隼人くんひとりで行かせるのも憚られる。
結局そのまま小さな手に引かれるようにして、みんなの待っている部屋に戻った。
そこではわたしが出た時と変わらないまま、子どもたちは短冊作りを続けていた。
けれど有馬と久保さんの姿はなく、施設の職員が子どもたちを見守っていたので首を傾げる。
ボランティア部員たちはどこに行ったんだろう。
輪に入っていく隼人くんを見送り、廊下に出る。
少し歩けばすぐにふたりは見つかった。


