彼は特に傷ついた様子もなく、そのことにわたしは少しほっとして続けた。
「そうそう。宝くじより確率低そうだよね。だから書かなくたって別にいいんだよ。わたしは短冊は、七夕っぽく演出するためのきれいな飾りだと思ってる」
「飾り……クリスマスツリーみたいな?」
「それ! 笹がツリーで、短冊は星とか鈴とかのオーナメントみたいなものなんだよ」
夏か冬かの違いだけで、そこに大きな差はない。
そういうイベントだから飾る。
なんとなくわたしたちは昔から、そうすることを刷り込まれているのだ。
本当はやらなきゃいけないことでもなんでもないのに、そうしなければなんとなく落ち着かない気分になる。
でも、それだけだ。
「それならまあ……短冊作るくらいはしてもいいかな」
「えっ。作るの? やめようよ、面倒じゃん」
まさかそういう方向に気持ちが向くとは思わず、驚いてそんな風に言ってしまい、隼人くんから呆れたような目を向けられる。


