付き合いの長い柳瀬くんからしても、有馬が他人にそんなことを言うなんて珍しいと思うんだろう。
「有馬に嫌われる要素って、なんだろうな。大崎さんはどう思う?」
「そんなの、こっちが聞きたいよ。……ペナルティくらうようなやる気のない奴が、気に入らないんじゃない?」
そうだったとしても、大嫌いなんて言われる筋合いはないよなあと、理不尽に感じる。
柳瀬くんは「やる気か……やる気なぁ」とぶつぶつ言いながら何か考えているようだった。
正直、この話はあまりしたくない。
思い出しただけでムカムカしたり、気持ちが沈んだりと自分の心が落ち着きをなくすから。
「もういい? 昼休み終わっちゃうし、行こうよ」
「あ、待って待って。あのさ、ひとつ言っておきたいことがあるんだ」
「……言っておきたいこと?」
柳瀬くんは自分のうなじに手をやりながら、視線を泳がせる。
これから言いにくいことを言いますよ、と宣言するような仕草だった。


