「凛たんに女装させて、オトリに使ってみろ。あの可愛い見た目なら、瑞希なみに化ける。ガチで迫られたらあぶねぇだろうが?なぁ、瑞希?」

「そ、そうだ!ただでさえ、凛は巻き込まれやすいんだ!」



烈司さんの言い分だと、危険だから参加させないと言い方。

へこんだ私には優しい言葉。



(でも、女の子に見えてよくないって言われてるのよね・・・?)



本当は女子だから、女装すると女の子だとは隠せないからどうしようもないけど・・・



〔★女装の使い方がおかしい★〕



「凛たんは強いが、怪我はさせたくねぇ。女装見たさに、危険が増すようなまねをさせたいのかよ?」

「凛道がズレていることも強い事も承知してる。しかし、臨機応変に実践をつませるべきだろう?」

「わはははは!ロックオンされてるしなぁー!」

「だったら、別の時に稽古つければいいだろう!?俺で我慢しろよ!?俺だけじゃ不満か!?」

「え、我慢も何も、そういうわけじゃぁ~」

「俺じゃご不満か!?」



戸惑うモニカちゃんを瑞希お兄ちゃんがゴリ押しすれば、オネェさんは困った声で返す。



「あん、そーじゃ・・・今のみーちゃんでも十分だけど・・・」

「だったら、凛の変装はナシだ!!絶対ダメだ!!」

「ちょっと~そんなに怒らなくてもいいでしょう~?ホント、ブラコンね~?」

「悪いか!?」

「否定せんのか。」

「わはははは!凛助のことだと、開き直るなぁー!?」

「落ち着け、瑞希。オメーらも、瑞希だけで納得しろよ?」

「そうねぇ~みーちゃんがそこまで言うなら、凛ちゃんはあきらめよっかー?」

「フン!楽しみが減った。」

「わはははは!オメーら凛助に甘いんだよ!俺様もだがな!!」

「じゃあ、女装も含めて、凛たんに手伝わせるのはナシだ。」

「「「おう。」」」

「たりめぇーだよっ!!」


男前の発言に全員が同意する。

それでハラハラしながら聞いていた私はホッとする。



(助かった・・・)



女の子のかっこうさせられなくてすんだ・・・



「つーことで、女装させるなら、事件じゃない時にやれよ。」

「そうするわ、れーちゃん。凛ちゃんにはファッションショーのためとか言って頼んじゃおう!」

「その時は俺も呼べよ。」

「俺様もだ!わはははは!」



(え・・・?助かった・・・のかな・・・?)



その後に続いた言葉で、不安になる。



〔★危険が先延ばしになっただけだ★〕