「えっと、立花心愛です」

男の人と話すとしどろもどろになってしまう。
真央ちゃんと話してるみたいに話せない…っ。


「…よろしく」

その一言だけ言うと彼は私の前に座った。

「えっ?」

思わず出てしまった声。

だってだって、小鳥遊くんこっち向いてる…っ。


その座り方は普通じゃなくて私の方を向いて座っている。


なんで、なんで…。


「ま、真央ちゃん!私トイレ行ってくるねっ」

真央ちゃんにそう言って私は小鳥遊くんから逃げるように教室を出た。