完璧王子の溺愛事情

「はぁはぁ…」

なんか途中から怖くなって走ってきちゃった。

「ちょっ、心愛ちゃんどうしたの!そんなにはぁはぁ言って…」

「へへ、大丈夫だよ」


全然大丈夫なんかじゃない。
どうして、どうして私が。

もう絶対関わらない。絶対に。
ほんとに怖かった。


「おー!亮哉いた!どこいたんだよ、まじで」


_____ドキッ!

遥くんの声に心臓が嫌な音を立てる。
うそ…私が出ていってからすぐに資料室から来たってこと?


「っ……真央ちゃん!私トイレ行ってくる!」

「えっ、ええっ?大丈夫?お腹痛いの?」

心配そうに私の顔を除く真央ちゃん。
そうだよね、私今日たくさんトイレ行ってるもんね。


「真央ちゃん、後で話すねっ」

「うんっ。って、な、なにを?」

私はそれに言葉を返すことなく教室を出た。

だって、無理だもん。