家に帰りついて、お風呂の準備をしてご飯を作ろうとすれば休んでと座らされ。
なんだろう?
私はすっかり甘やかされてて動いていない。
これ、女子的にどうなの?と思っていたら。

「莉々花、女子とか以前に貴方は今怪我をしてますし、治ってませんから」
「あれ?私、口に出てました?」
「思いっきり出てましたね」

クスクスと笑いながら返される。

「お風呂沸いたので先に入ってきてください。その間に夕飯仕上げちゃいますから」

そう言われて、することの無い私は先にお風呂に入ることにした。

退院した日よりはスムーズにお風呂を済ませて、髪も何とか半分くらい乾かしてリビングに戻る。

「お風呂ありがとうございました」

リビングに戻って来た私を見て

「夏とはいえ、もう少し乾かした方が良さそうですよ?」

そう言うと洗面台からドライヤーを持ってきてソファーに座ると、足の間に私を座らせて乾かし始めた。
やっぱり、大きな手に梳かれながら乾かしてもらうのは気持ちいい。
これはちょっと、クセになるかもしれない。

「はい、これで大丈夫ですよ」

すっかり乾いた髪で振り返れば、ダイニングには夕飯の準備が整っていた。

今日は和食だ。
生姜焼きに里芋の煮っころがし、ホウレン草のお浸しにきゅうりと大根の浅漬け、サツマイモと玉ねぎのお味噌汁。

すっごく美味しそう。

「さぁ、ご飯にしましょうか?」
「これだけ作るの、大変じゃなかったですか?」