今日、玲奈さんと話した後、ご飯を作りながらも考えた。
もし、あの日私でなくて玲一さんが階段を落ちてたら?
それで、万が一そのことで、彼が永遠に私の前からいなくなったら?

想像しただけで、私の涙腺は大決壊を起こした。
それで理解した。
どうやら、たくさんのアプローチを受けるうちに、いやもしかしたら告白してくれたその時から、私はとっくに彼に落ちていたのかもしれない。
鈍い私は自覚がなかっただけなのだろう。

だから、私の答えはこの話し合いの前に決まっていた。

「玲一さんの気持ちが大きくて、同じだけ返せるかわかりません。私は自分の気持ちに気付くのも遅いくらいの鈍さですから。でも、私玲一さんと幸せになりたいです。玲一さんのお嫁さんにしてください」

そう返事をしたら、玲一さんは大きく目を見開いた後にとても嬉しそうに微笑んで答えてくれた。

「はい。僕のお嫁さんは莉ヶ花以外にはなれませんよ。一緒に幸せになってください。愛しています」

そうして、私たちは二度目のキスを交わした。

甘くて、柔らかくて、そして気持ちが伝わるようにと熱を交わし合う。
この日、私たちは数えきれないほどにそれを続け、溶けるんじゃないかと思うくらいに私の体はすっかり力が抜けてしまったのだった。