「あと、今日実家の私の母からも連絡がありました。怪我について連絡してくれたことは感謝します。ですが、何故実家の母には私は彼氏の家で彼氏にお世話になっていることになったんですか?」

そう、問うと

「すみません。でも、僕はもう莉々花を手放すことはできないほど愛しています。莉々花が僕の隣に居てくれなければ、きっと生きる意味すら無くしてしまうでしょう。ですから僕は形振り構っていられないほど焦りました」

「それは、何故?」

「今回の事件で僕は莉々花を守りきれず怪我を負わせてしまいました。この事をきっかけに莉々花が僕とは付き合えない、結婚なんて無理だと言われたら。そんな恐怖が僕を襲いました。そもそも、今回の件で万が一莉々花の打ち所が悪かったとしたら、僕は永遠に莉々花を失っていたのかと……」

その声は、震えて弱く、私の怪我は私自身以上に玲一さんにもトラウマになってしまったようだ。

「それならば、二度とこんな苦しい思いをしないために、させないためにも僕は莉々花をしっかり僕が守れるように、離れていかないように回りから説得することにしました。どうしても莉々花を失いたくない。僕の我儘と独断です。呆れますか?怒りますか?それでも僕は莉々花を離したくありません」

きゅっと私の両手を握っていた玲一さんの手がきつくなる。