「杉原さん、どうぞご覧ください。あなたのしたことを」

冷酷にかつ威圧的に、いつもとは違い今の俺の顔には表情は見当たらないだろう。
久しぶりに、怒りの天井をぶち抜けてしまったからだ。

「なにか、いいたいことはありますか?」

そう、どこまでも感情のない声で冷たく聞く。

「あんな綺麗だけど綺麗なだけの無表情な子のどこが良いの?!私の方が美人だし、家柄だってあなたに釣り合うのに!!」

「あなたのしたことは、立派な殺人未遂です。暴行罪なんて優しいものじゃありません。今日付けで懲戒解雇処分とします。よろしいですね?社長?」

そう問いかけたのは部屋の入り口。

そこにはこの事態のため、ここに呼んだ社長であり僕の父、塚本新一。

「私の映像は確認した。お前の考えた処分はこの件において妥当と考える、それで構わない」

社長もこの処置に反対しない、これで彼女の行く末は決まった。

「今この時をもって、杉原翠子さん。あなたを懲戒解雇します。警備部、証拠の映像と共に警察へ連れていってください」

その言葉に、初めて彼女は怯えた

「そんな、ちょっと痛い目にって思っただけなのに…」

「それで彼女は意識を失い流血するような怪我を負い救急車で病院に搬送されてるんですよ?そんな言い訳はここでは聞きません。二度とここに関わるな」