私の勤める会社、塚本商事はアパレル系商社で皮革製品であるカバンや靴に生地の製作卸売、アパレルブランドの運営、手芸店の経営と服飾関係を扱う会社。
本社ビルは自社ビルでそのビルの3階までは自社のブランドの店舗や手芸店まで入っていて4階から上は本社の社屋となっている。

そんな会社で春まで私は総務部庶務課で社内の何でも屋さん的にコピー機の紙やインクの補充に電灯の取り替え。
各部署への郵便配達などを行っていた。

地味だけれども無くてはならないその仕事にやりがいを感じながら働いていた私は三年目にして寿退社の先輩の穴埋めとして春から総務部受付担当へと移動し、会社の受付をしている。

なかなかに慣れない中、優しい先輩に支えられながら何とか仕事をしていた。
あまり表情の動かない私はクールと言われることが多い。
しかし、表情筋の動きが緊張すると鈍いだけで私は普通だ。
むしろ、恋愛に関しては奥手で経験値がほぼ0である。
そろそろまずいと感じていた。

そんな矢先、受付に異動して三ヶ月が経った頃。
それは唐突に始まったのだった。

私、なんでか知らないけれども。
我が社で有名なイケメン王子でこの会社の御曹司で次期社長と言われる社内のプリンス、副社長の塚本玲一に猛烈にお付き合いを迫られるようになりました。

ほんとになんで?

私は至って普通の女子なのに。

こうして、周囲が騒がしくなりながら過ごすことに戸惑いしかない私は一体どうなるのでしょうか?