「えぇ、そうお約束しました。ですが、車で行くのにわざわざ貴方を歩かせるなんてと思いまして、迎えに来てしまいました。」

爽やかな笑顔で言っているけれども、なぜ私の家をしってるの?
これ、どうしたらいいの?
うん、聞くとなんか色々ガリガリ削れそうな気がしたから聞くのやめよう。
そうしよう。

「お迎えに来てくれて、ありがとうございます」

疑問系にしなかった所を褒めて欲しい。
私は、このデートのスタートからやや不安に陥っていた。
主にこの人大丈夫かな?という面で。

「いいえ、清水さんこそ、今日は僕に付き合ってくれてありがとうございます。色々回ろうかと思いますので最後まで付き合ってくださいね?」
「はい、今日はよろしくお願いします」

開けてもらった助手席ドアから乗り込んだ車内は革張りの高級感溢れる内装。
さすが、うちの御曹司。
でも、乗ってる車は国産車のエコカーで少し親近感。
これが外国車だったら、緊張感はさらに高まってたと思う。
ある意味少し息をつけた気がした。

「どこに連れていってくれるんですか?」
「貴方を喜ばせたいので、貴方が好きそうな所を調べました。楽しんで貰えるように精一杯エスコートさせて下さい」

そう話してから、エンジンをかけて車は動き出した。