ざわっ!!


今までで1番、会場がどよめいた。

人々は皆、私と13番の彼を見つめている。

無意識の張り合いに気が動転している私に、ウサギさんはこっそり尋ねた。


「あれ、犯罪に手を染める気になったの?」


「もういいよ!どうせ、不正入国している時点で私は犯罪者なんだからっ!」


「アリス、声おっきいよ…!」


すると、その時。

13番の彼が反撃してきた。


「───125万。」


(!!)


「150万っ!!」


会場中が、私と彼のデッドヒートに夢中になっている。

腹黒ウサギのコピー策に乗るなら、私は無敵だ。

ここまできたら、どんな金額になっても競り落とすしかない。

しかし、彼も粘りを見せる。


「──200万…!」


「300万っ!!」


「──500万…!」


彼の声に、私はガタン!と椅子から立ち上がった。

目を見開くウサギさん。

集まる会場の視線。

勢いしかなくなった私は、高らかに爆弾を落とした。


「いっ、1000万っ!!!!」