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『では、会場はこの先にありますので。どうぞお楽しみください。』


慣れた手つきでサラサラと受付を終えたウサギさん。

私たちは薄暗い廊下を進む。


ギィ…!


そして廊下の突き当たりにあった木製の重い扉を開けると、そこは静寂に包まれていた夜の街とは真逆の世界だった。

敷き詰められた赤い絨毯。

劇場型に作られた会場に、オペラハウスのような段々の椅子。

お目当ての宝を待ち望む不思議の国の住人たち。


(…!闇市なのに、こんなに人がいるなんて…!)


ざっと見渡しただけでも100人近くの人がいるようだ。

落ち着かないままきょろきょろしていると、ウサギさんが私に向かって手招きをしながら言った。


「アリス。物珍しいのは分かるけど、一応、僕から離れないようにね。ここは“ちょっとワルイヒト”の集まりだから。」


「…っ。」


(この人は、こうやって人を脅すようなことをさらっと言うんだから…)


静かに周りを観察すると、会場にいる人の半数はマスクやフードで顔を隠している。

どうやら、老若男女問わずいるようだ。