パァァァッ!!


突然、“エメラルドの光”が、ガーデンを包んだ。

魔力を浴びると同時に、体の感覚が蘇り、目の前の伯爵の姿が元に戻っていく。


(え…っ?!)


目を見開いて息を呑んだ、その時。

今にも私の首筋に噛み付こうとしていた伯爵が、ぐんっ!と私から引き離された。

彼の襟元を掴んでいるのは、まるで殺し屋のような瞳をしたオズ。

はっ!とした瞬間、聞いたこともないようなオズの低い声が辺りに響いた。


「…触んな……」


ドッ!


鈍い音とともに、伯爵の体が宙に浮いた。

顔を歪めた伯爵が、ガーデンの茂みへと蹴り飛ばされる。


ガサガサガサッ!!


容赦ない一撃を受け、伯爵はうめき声とともに沈んでいく。

その時、ぐいっ!と肩を掴まれた。

目の前に見えたのは、先ほどと同じ“エメラルドの瞳”。

しかし、私に触れる手は、伯爵のものとはまるで違った。


「何、流されてんだよあんたは…!!」


「!」


オズが、初めて声を荒げた。

びくり、と肩を震わせると、オズは感情を抑えきれないように言葉が止まらない。


「あんた、何でここに来た?伯爵に目をつけられたら、“こういうこと”になる、ってちゃんと分かってたのかよ!」