「もちろん、笛が第1優先だよ!オズのことは、今たまたま考えてただけというか…」


「あぁ。そうだな、わかってるよ。」


くすり、と笑う彼は、私の心中を見透かしたようにそう言った。

たくさん反論すると、ムキになっているようでかえって逆効果だ。

私の思考の半分以上がオズの彼女で埋まっていたことなんて、私の口からは到底言えない。


「…ま、とりあえず美味い飯でも食べて、参加客の話を盗み聞いていくか。笛のことを話している奴らもいるだろうしな。」


「う、うん…。」


悪びれもせずにそういったカグヤに、ぎこちなく頷く。

もちろん、笛が見つかればいいと思ってはいるが、どんどん悪事に手を染めている自分が怖くなってきた。


(…仕方ない。これも全部、人間界に戻るためだ。)


…と、私が自分に言い聞かせ、カグヤとともにバイキングのテーブルに向かおうとした

その時だった。