その時、シラユキくんが私たちを見て声をあげた。


「そう言えば、2人は会うの初めてだったよね?エラちゃん、紹介するよ。彼は“カグヤ”。僕とオズの幼馴染みなんだ。」


(“幼馴染み”…)


そう言えば、以前シラユキくんから名前だけ聞いたことがあった。

藤色の髪の彼は、私を見つめて口を開く。


「へぇ、君が“エラ”か。オズ達から話を聞いてるよ。…よろしくな。」


「は、はい…!助けてくれてありがとうございます…!」


緊張気味に彼に答えると、カグヤは「そんなにかしこまるな。敬語なんていい。」と小さく笑った。

年上の余裕を感じさせる彼に、少しドキドキしてしまう。


(…シラユキくんと同い年とは思えない…)


するとその時。

チェシャがシラユキくんに向かっておずおずと尋ねた。


「ねぇ。あのゾンビ達って何?…シラユキ、なんかやらかしたの?」


「!違う違う!」


チェシャに慌てて反論したシラユキくんは、眉を寄せて言葉を続けた。


「実は、あの悪霊たちは“ドラキュラ伯爵”の手下みたいでね。今夜、伯爵が“花嫁”を探すパーティを開くから、その“候補”を探してたらしいんだけど…」


(え?)