突然の展開に引く私。

シラユキくんは私を庇うように立つが、2人とも悪霊に囲まれ身動きが取れない。


(ま、まずい…!どうやってシラユキくんを助けるか、全く考えてなかった…!)


「!エラ!」


チェシャの焦ったような声が聞こえた

次の瞬間だった。


「────なーにやってんだ、シラユキ。」


「「『!』」」


低く、艶のある声が響いた。

背後からの気配とともに、シラユキくんを拘束していた骸骨の腕が、この場に現れた“青年”にガッ!と掴まれる。


(え…?)


視界に映ったのは藤色の髪。

黄金の瞳が、悪霊たちを鋭く睨みつけていた。

藤色の髪の青年の威圧感に、私たちを囲んでいた悪霊たちは、ずり…、と後ずさりをする。

それでもシラユキくんを離そうとしない骸骨に、青年の黄金の瞳が鈍く光った。


ガッ!


呼吸をする間もなく、流れるような動作で青年が骸骨の足を払う。

そして骸骨の体が傾いた瞬間。

青年が軽やかに骸骨の腹部を蹴り込んだ。


ドッ!


『ぐっ?!!』