「エラちゃん…っ?!!」


目を見開くシラユキくん。

言葉が出ない野次馬。

事件の予感に顔が引きつるチェシャ。


『あぁ…?なんだ、この娘…』


ずぅん、と、目玉のない骸骨が私をとらえた。

ゾンビの眼光がギラリと光る。


「私は彼の友達です。…何があったのかは知らないけど、シラユキくんを困らせるのはやめてください!」


悪霊のオーラに負けじとガンを飛ばす私。

するとその時。

シラユキくんが、くいっ!と私の肩を引いて、小さく耳打ちをした。


「エラちゃん、どうしてここに?!」


「えっと…、シラユキくんが絡まれてたから加勢しようと思って!気がついたら割り込んでた…!」


「本当に君は……。」


困りながらも納得と言った様子のシラユキくんが言葉を詰まらせた

その時だった。


『おい。見ろ、この娘。』


『こいつも“候補”に入れていいんじゃないか?』


(え?)


悪霊たちは私を見るなり、標的を変えたようにニヤリと笑った。


『この娘もなかなかの上物だ。“伯爵様”が気に入りそうだな。』


『ちょうどいい。この娘も一緒に連れて行こう。』


(へ?!!)