苦笑するシラユキくんに、ため息を吐くオズ。
そして、彼はふいに私の名を呼んだ。
「おい、エラ。」
「?」
彼はエメラルド色の瞳を細めて私に告げる。
「ウサギの情報、何か分かったらすぐに知らせろよ?…ここまでバレたから言うけど、俺の探してる子は、かつてウサギが俺に“妹”だと言って紹介した奴なんだ。」
(え…っ!)
驚きの内容に、私は目を丸くした。
「ウサギさんはチェシャ以外とは暮らしてないよ…?」
「…なら、“妹みたいなやつ”、だったりするかもしれないだろ。心当たりはねぇか?」
私は、オズの言葉に腕を組んだ。
必死に記憶を辿るが、それらしき人の影は出てこない。



