「あのさ、初恋の女の子って、どんな子なの?」
「……。」
いい加減やめろ、と言いたげなオズ。
でも、仕方ない。
女の子は恋バナで生きているようなものなのだから。
わくわくした視線を彼に向けていると、オズは観念したように小さく答えた。
「…危なっかしくて目が離せなくて…笑顔が花みたいに可愛い子だよ。」
(…!)
意外と、ちゃんと答えてくれた。
惚気を聞いたこっちが恥ずかしくなるくらい。
はっ、としたその時。
オズは、ふと私を見つめて呟いた。
「…ちょっとだけあんたに似てるかもな。」
どきん…!
大きく、胸が音を立てた。
不意打ちの言葉に何も言えなくなる。
オズは、深く考えずに言ったようで「まぁ、見た目は似てないけどな」と続けている。
(…無自覚女殺しだ…)
私じゃなかったら、確実に“落ちてた”だろう。
少し聞いただけで大切に想われてるって分かるほど愛しげに話す初恋の女の子に、“似てる”なんて言われたら、勘違いしそうになる。
子どものようにムッとしている罪深きイケメンは、毛布を掴んだまま、起き上がったシラユキくんへ睨みを飛ばす。
「お前、ほんとおこるぞ…!…ウサギにばらしたら絶交だからな…」
「ごめんって!“同志”のエラちゃんが知らないとは思ってなくて…」



