ばさり、と起き上がったオズは、私と目を合わせようとしない。
同い年の女子に知られたことが、そんなにショックなのだろうか。
「私、素敵だと思うよ…!17歳になった今でも初恋の女の子を想い続けているなんて…」
「…フォローはやめろ…」
「ねぇねぇ、名前はなんていう子なの?」
「…言うわけねぇだろ…!」
気だるげに答えるオズは、どこか吹っ切れたようだった。
今まで少し大人っぽく感じていたオズが、身近に思える。
(…ここまで想われる彼女って幸せだろうな。…オズはいい人だし…きっと、すごく可愛い人で…)
そこまで考えて、私はふと心の中にモヤを覚えた。
なんだか、今まで恋人がいなくて仲間だと思っていた友達に、実は元カレがいた時のようなショックに近い。
そりゃあ、17年も生きていれば、恋の1つや2つ経験しているのが普通なんだろう。
(…話を聞いちゃったせいか、オズが好きになった女の子が妙に気になる…)



