これだけは外したくても外せない。 もしかしたらこれを見て思い出してくれるかもしれない。 繋がってる最後の細い糸を断ち切るみたいで怖くて。 その時ガシャンと扉の開く音がして。 誰かが屋上に入ってきた。 ん?誰だろう。 私はお弁当とブレスレットを横において貯水タンクから顔をそろーっと出す。 二人いる。 男の子と女の子一人ずつ。 女の子が影になって男の子の顔は見えない。 見えるのは黒いフワフワした髪だけ。