「はーい、」 如月くんの声だ...。 一年経っても何も変わらない声。 玲央の手によって開かれる扉。 私の視線の先にはーーー。 フワフワの黒髪。 小さな顔。 大きな切れ長の目。 何も変わってない。 すこし細くなったかなというくらいだ。 「如月くん...」 如月くんだ。 私と玲央はゆっくりと如月くんのベッドのそばまで歩いていく。 目が涙で潤む。