「……暑い」


目が覚めると汗だくだった

だからこんな思い出したくもない悪夢を見てしまったんだ


周りを見渡すと、可愛らしい部屋、飾られた赤い薔薇


帰れてないことに気付いて、安堵する


もう、あんな世界に帰らなくて済むんだ


私を傷付けたあの子にも、会わなくて済む。なんてラッキーなんだろう


夜明け前の空を見上げて、ひとつ笑った