あと3分…。

私は右足に視線を移した。
ズキズキと痛み、湿った靴下の感触が気持ち悪い。

…もつかな…?

今は12対9…。

もう少しで勝てる…。
あの3人は頼りにはならないし、亜美ちゃんと私にしかマークはつかない。
だから、ディフェンスが来る前にシュート…。

私は右足に力を入れ、レイアップをきめようと…
……あれ…。
足が痛すぎて…もう一歩…踏めない…

「性格ぶすに負けんな。」
広い観客席から聞こえてきた声。