なんだよ…今頃。


入学式。
俺は幼馴染の鈴と同じクラスになれたことで、他のやつなんて見向きもしなかった。
だから…樹がいるなんて分からなかったんだ。

馴れ馴れしく、鈴の白い手に触れる樹。
今すぐにでも叩き落としてやりたい。

俺がずっと隣で鈴を見てきたんだ。
…だから、今になって入ってくるなよ…

「ねぇ、ゆーたっ!」

耳元で聞こえる高い声。

「あ?なんだよ。」
しまった…っと思ったときには遅かった。