やだ…

「やだ…。行かないで…」
無意識に出た言葉だった。

樹くんは目を丸くしたが、どんどん顔が緩んでいく。

「俺は鈴に求められるほど欲情するよ…?」

「…樹君なら…」

樹くんは私をゆっくりと押し倒した。

「後悔…しないでね。」


その夜、樹くんが部屋から出ることは無かった。