次の日、樹くんを学校へ見送ってから、屋敷内を散策した。

「ほ、ほんとに広い…。」
書斎に、大きな食堂。
室内プールまで…

「あ、この本、私が好きな作家!」

私は本棚から本を取ろうとしたが、ギリギリのところで届かない…。

しかも、あれは私が読んだことない新作。

「…もうちょい…。」
そこで、私はバランスを崩した。

「…っ。あっぶねぇな。」
私は本棚に倒れることなく、腕を支えられた。

上を見ると、樹くんに良く似た顔…。
でも、髪は金髪で耳にはたくさんのピアス。

「えっと…ありがとう。」
私は戸惑いながもお礼を言う。