足元を見ると銀に光る鎖…。

「それはね、君が逃げないようにだよ。」

無邪気に樹くんは笑った。

「こんなこと…やめてよ…。」
絞り出すようにちいさな声。
「こんなこと…?俺をこんなことやらせるまで狂わせたのは鈴だよ。」

そう言って樹くんはテーブルにパンを置いた。

「朝ごはん食べよ?」
朝…?
樹くんに会ったのは夕方なのに…1晩寝てたのかな…?

「いらない…」
私はそっぽを向いてベッドに寄りかかった。

「そっか…」
カチャカチャと食器の擦れる音がする。

「私…家に帰りたい…。」

「それは…できないよ。ここは、鈴の家から距離があるし、返すわけにも行かない。」