人と取り聴き終わった裕太は困ったように眉を顰める。
……そんな顔しないで…私は幸せなの…

「裕太も部活中なんでしょ。私のことなんか忘れて部活いっていいよ。」
できる限りの笑顔で。
…私のこと心配するなんて、お門違いだから…

「おまえ、部活どーすんだよ。」

…部活…。

「もう、精神的に疲れちゃって…少しそっとしておいて欲しいんだ…。だから辞めるかも。」

その途端、裕太はテーブルを思いっきり叩く。
「きゃっ!」

「あ…わりぃ…。でも、そんなんで、辞めていいのかよ。家のことだって、俺はお前の気持ちなんか知らねーけど、逃げ切れるもんじゃないだろ!いつか絶対後悔する…。それに、そんな姿みたくねぇよ…。」

裕太は泣きそうな顔で私の足枷に手をかける。

「これ、どーやったら外れんだよ。」
私は首を横に振るだけで何も言わなかった。

「裕太、もういい。ほっといて…いつも幼馴染で一緒にいてくれたけど、もう忘れて…」

「そんな甘い距離ならとっくにお前のことなんか無視してるよ。」

そう言って、裕太は足枷をいじり始めた。