「えー怒んないでよ。少しお話してただけ。」
椿さんはそう言って、そそくさと退席した。

「ねぇ、鈴…俺以外の奴と話さないで。」
「え…?でも、椿さんは樹君の従兄弟だよ…」
樹くんの顔がどんどん曇っていく。

「お願い…俺から離れないで…」

そんな悲しそうに言わないでよ…。
私は小さく頷いた。

樹くんは満足そうに笑うと私の手を握る。

「じゃあ、パーティを楽しも。」

「うんっ!」
よかった…いつもの樹くんだ。