やっと終わった…

俺は駆け足で家へ向かった。
部屋の鍵を開け、中に入る。
「ただいまー。」
こんなにウキウキした帰宅は久しぶりだ。

だが、いくら声をかけても返事がない。
俺は急いで靴を脱ぎ、リビングに向かった。

リビングには包丁か転がっていて、横に手首が血だらけの鈴が倒れていた。

「鈴!?」

「あ…樹くん…私ね自分が嫌になってね…」
まるで幼い子供のように君は無垢な瞳で俺を見つめた。

「鈴…もうやめて…。自分を傷つけないで…

鈴はキョトンとした顔で俺を見つめる。

…ああ、鈴、君は壊れちゃったんだね。
でも、俺は壊れた君も愛してるよ。


「鈴…ごめんね、少し不自由だけど我慢して。」