連れてこられたのは体育館裏。
一通りは全くなく、私たちしかいない。

「鈴…他のやつの前で泣かないで。その顔見せていいのは俺だけだから。」
樹くんは私を抱きしめ、耳元で言う。

「で、でも…私また泣いちゃうかも…」

「その時は俺を呼んで。すぐに行くから。」

「約束してくれる…?」

私はいつきくんの腕から離れ、小指を差し出した。

「もちろん。」
樹くんは笑って私の小指に自分の小指を絡ませる。

「「指きりげんまん、嘘ついたら針千本のーます。指切った。」」

「あ、まって…針千本は痛そうだから…駅前のパフェ奢るにしよ!」

「俺はそれでもいいよ。」
樹くんは笑って私をもう一度抱きしめた。