「んー。俺は子供嫌いだからなぁ。でも、鈴と夫婦に見えたなら嬉しいよ。」

困ったように笑った。

「でも、今はあいつらに触られたのが悔しい。」
樹くんは私の右手首を舐めた。

「ひゃ、ひゃぁ!人にみ、見られちゃうよ…」
「大丈夫。ここには人が来ないから。」
…あたりを見渡すとたしかに、人通りはない。
いつの間にこんな大きな岩陰のところに連れてきてたんだね…。

「ねぇ、俺から離れないでって言ったよね。」
う…たしかに、海について言われたけど…。

「ご、ごめんなさい…。」
だからあんなに怒ってたのかな…?

「怒ってる…?」
樹くんは私の質問には答えずに、私の首に頭を埋めた。