「ふふっ。くすぐったい。」

「もう少しの我慢だからねー。」
でも…くすぐったいよぉ。

「このままかぶりつきたい…。」
ええっ!?

「じょーだんだよ。」

「うう…っ。いじわるー。」
樹くんが塗り終わり、私は立ち上がった。




「ふぅ。きもちぃ。」
私は浮き輪でプカプカ浮いていた。
「喜んでもらえてよかった。」
樹くんは私の浮き輪に捕まって後ろから着いてきてくれる。

「ここまで来ると人もあんまりいないんだね。」
少し奥まで来すぎちゃったかな…?

「俺は人がいない方が好きだけど、鈴は向こうの方が好き?」

そう言って樹くんは子犬のような目をする。
「ううん。私も人が多すぎるのは…でも、お腹すいてきちゃった…。」