「ごちそうさまぁ。」
君は満足そうに笑う。
「熱も結構下がったし、薬飲んで寝てれば平気かな。」
俺も君につられて微笑んだ。

「あのね…私、人に看病してもらえるの久しぶりで、嬉しかった!」
君が喜ぶなら俺は何だっててきるよ。
その笑顔が見たいから…。

「鈴が喜んでくれてよかった。他に欲しいものとかあったら言ってね。」

君は少し悩んだ後にゆっくりと口を開く。

「寝るまで…手、握ってほしい…。…だめ…かな?」
君は俺の手をちらりと見た。

「ダメなわけないじゃん。」

俺は君の手を握った。
君の体温がじわじわと伝わる。

「…樹くん、ありがとう。」

君はそう言って目を閉じた。