君は俺を見ると一瞬目を丸くした。
そして、気まづそうにジュースを受け取る。

「ここ通ったら泣いてるのが見えたから。」
体育館裏なんて人は通らない。
…苦しい言い訳だけど、そんなのもういい。
君が泣いてるのは一番嫌なんだ。
理由は検討がつく……でも…鈴のためになるならギリギリ妥協点だ。

「そっかぁ。今までツンツンしてたから心配してたんだよ。もしも、悩みがあったらいつでも言ってね!」
君は嬉しそうに微笑んだ。

…そうじゃないだろ…ほんとに辛いのは鈴だろ…。なんで、俺にまで隠すんだよ…

「お前、自分の顔みてから言えよ。」

俺はさっき女共から貰ったタオルでペットボトルを包み、彼女の顔に押し当てた。

「う…ありがとう…。でも、裕太も泣きそうだよ。」