ゆい先輩とぼーっと待っていると、体育館から黄色い声。
視線を向けると女の子達が裕太と樹くん、間宮さんを囲んでいた。

「これ、差し入れです!」
「ほんとにかっこよかったですーっ」
「わ、私も差し入れです!」


「あーりゃりゃ。間宮先輩囲まれちった。」
ゆい先輩は踵を返した。
「えっ!帰っちゃうんですか??」
だ、だって、彼氏だよね…!?
「間宮先輩は私しか見てないからいいの…あ、今、すごい自信って思ったでしょー。」
ず、図星…。
私はちらりと樹くん達の方を見る。
まだ女の子立ちに囲まれている。
裕太は鬱陶しそうに避けているが、人当たりのいい樹くんは困ったように笑っていた。