『よろしくお願いします』

鈴の口から出た言葉が未だに頭から抜けない。

ずっとずっと俺は甘えてた。
鈴の側には俺しかいないって過信してたんだ…。
幼馴染の距離感は丁度良くて、ずっと隣にいれると思ってた…。

鈴には俺が
俺には鈴がいる…。
それが当たり前のはずなのに……。

神様は意地悪だ。
こんなに愛してるのに…
こんなに大好きなのに…


俺は机に置いてある写真たてに目を移す。
俺と君がカメラに向かって微笑んでいる。