「 桜ちゃん、座ったら?? 」


握りこぶしを作りながら、目に涙を浮かべる私を見ていた

佐賀さんが耐えかねたように言った。





「 いいですっっ。 」


「 でもここからじゃ、話してる内容も聞こえないだろうしさ 」


どうして、何があっても外に出ずに私のそばにいてくれた陸くんが

あの人だと………


しかも女の子相手に、わざわざ外に出て話しをするの?



私に聞かれたくないから??


意味わかんないよっ。



「 桜ちゃん、そんなに気にしなくてもいいと思うよ。


あの子は陸のバイト仲間だ。 」



バイト仲間だろうと、なんだろうと私には分かる


あの子は陸くんの事が好きだ……。



ネックレスを強く握りしめ、心を落ち着かせる


「 佐賀さん。

陸くんは私のこと、本当に好きなんでしょうか 」


「 え。 」



私なりに、陸くんと一緒にいれば他人から見たら愛されていないようでも、

私のことを大切に思ってくれてるのは分かった。



けど、それは幼馴染としてで。



こんな暴走族に守ってもらわないといけないような女じゃなくて、

陸くんはああいう女の子の方が好きなんじゃないかって思ってしまう。


「 疑う余地なんてないだろ。


誰から見ても、陸が桜ちゃんを好きなのは丸わかりなんだし 」



「 ………そう、ですよね。


ごめんなさい 部屋に行ってます 」



「 あッっ……。 」