姉貴は俺のもの




「 記憶がなくて不安かもしれないが、恋人っていう関係だけはこれからも続けるからな 」


言葉に断れない威圧が含まれていて、混乱していた思考が一つになる




まっ、待って。 てことは、記憶にある陸って名前はこの人の………



「 返事がないな。


言っておくが、拒否するっていう選択肢はないからな?」



でたよ俺様発言っ



悔しいところがこの人の顔がカッコ良すぎるせいで、それが帳消しにされてるような感覚になるんだよね。



_______でもまぁ、冷静に考えてみても私には拒否権などないと思う。


ここで仮に断りでもしたら、気に入らないと怒った彼が

いい暴走族だと話してくれた仲間たちと一緒になって私に何かするって事もなきにしにあらずだ。



それに保護がなくなれば、ヤバいことから守ってくれる相手もいなくなるわけで……



まるで大型犬に威嚇された小型の子犬みたいに、私は頷いた。



それを見て、相手はくしゃりと笑う


「 そんじゃ、まぁ。

行きたいとことかあるか? 楽しいことしてたら思い出しやすいかもしれないし


どこでもいい、俺が連れてってやるよ 」



…………なんて言うか


ブスな私とこの人が付き合ってたというのだけでも、非現実的で

疑問に思うこともたくさんあるんだけど。




「 私って、学校はどうしてるんですか?


それに、なんで暴走族に守ってもらうことになったんでしょうか 」



続けて質問するのは失礼だとは思ったが、今の私には何も覚えてないから

それらを考慮していただきたい