陸side



一階から聞こえてきた騒ぎに、俺は佐賀さんと顔を見合わせた後

部屋を飛び出した。



「 美奈帆はどこにいるのかな?


出してくれる 」



「 それ以上中に入ってくるな!! 」




一階を覗き見ると

高槻を筆頭に、坂下さんの件で俺が1人で乗り込んで行ったチームの奴らがバイクで倉庫内に入ってきていた。




「 陸ーー

どこにいる??


俺もだけど、こいつらも陸に用があるらしいんだよねーーー 素直に出て来てくれると助かる 」



「 っっ。 」


高槻の後ろには、殴った記憶がある奴らが

刃物や銃を手に、笑いながらバイクのエンジンをふかしている



あいつら、高槻がヤクザだと知っていて協力したのかっ



前から武器、それすなわち力だと思い込んでやがる馬鹿共だったが

まさか手を組んではいけない所と組んでしまうほどのアホの集まりだったとは____



「 陸、俺はね?


……、この傷忘れねぇぞ 」


地を這うような声で、俺に告げる



見えないはずの二階にいる俺を睨む高槻に、

仲間たちは一歩後ろに下がった。



「 陸、あいつに何したんだ? 」


総長から、勝負の時まで何があっても手を出すなと言われていたのだが


「 あの時はあぁするしかなかったんです。 」



「 あの時って? 」


奥歯をぎりっと噛み締めながら、拳を作る



「 俺の目の前で美奈を連れて行くか、何かしようとしてたんですよ。


俺はせめてと思い、隣の家に美奈が逃げれるよう
高槻を殴ったんです 」



「 陸っ。 」



佐賀さんは目だけで、気持ちは分かるが今は辛抱しろと言った。



けれども下には仲間がいて、

全て俺の問題できた奴らだ。



何よりこのまま騒がれ続かれると、美奈が目を覚ましてしまうかもしれない


それだけは避けたいっ